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この記事の最終更新日は 2021年3月28日 です。現在は状況が異なる場合がありますので予めご了承ください
国内外で新型コロナウイルスに関する研究が進められているようですが、東大が新型コロナウイルスの治療に、急性膵炎治療薬の臨床研究を始める、というニュースが飛び込んできました。
少しずつ分かってきている、新型コロナウイルスの特徴から、実験を進めているのですね。
新薬開発には時間もお金もかかりますから、既存の薬が使えることが立証されれば、安心できる材料がひとつ増えることになります。
今回は急性膵炎治療薬臨床研究など、国内での新型コロナウイルスに対する研究について、わかる限りまとめてみたいと思います。
目次
新型コロナの治療に使える?東大が急性膵炎治療薬臨床研究へ 点滴薬剤「ナファモスタット(商品名フサン)」とは?
膵炎の急性症状(急性膵炎、慢性膵炎の急性増悪、術後の急性膵炎、膵管造影後の急性膵炎、外傷性膵炎)の改善に使う点滴製剤です。
「感染を阻止する可能性がある」とのこと。
ドイツ霊長類センターなどの研究チームが今月、ナファモスタットの類似の薬剤である、カモスタットの感染阻止作用がある可能性を米科学誌セルで指摘していたようです。
カモスタットと比較して、ナファモスタットは10分の1以下の低濃度で、ウイルスの侵入過程を阻止したとのこと。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスSARS-CoV-2の感染の最初の段階であるウイルス外膜と、感染する細胞の細胞膜との融合を阻止することで、ウイルスの侵入過程を効率的に阻止する可能性がある薬剤としてナファモスタット(Nafamostat mesylate、商品名フサン)を同定した。
引用元:東京大学医科学研究所
研究の詳細はこちら⇒「新型コロナウイルス感染初期のウイルス侵入過程を阻止、効率的感染阻害の可能性がある薬剤を同定」
新型コロナの治療に使える?東大が急性膵炎治療薬臨床研究へ 国内のその他の新型コロナウイルスに対する研究まとめ
・診断法開発・・・COVID-19の迅速診断キット開発に関する基盤技術の開発とプロトタイプキットの開発、血清抗体診断系の開発を行う
・治療法開発・・・感染機構の解明ならびに構造生物学的データを基盤にして、また、化合物スクリーニングなどを通じて、ウイルス感染を抑制する感染阻害分子の探索を行い、その治療薬の創製を目的とする
・ワクチン開発・・・ウイルス感染症に対する治療薬及び予防法は確立されていない。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中に蔓延する可能性が危惧されており、その予防の為のワクチン開発が必須である
遺伝子ワクチンを作製し、同ワクチンの感染防御効果を動物モデルで検証する
・臨床開発研究・・・ファビピラビルは、SARS-CoV2感染に対する有用性を示すエビデンスはなかった。特定臨床研究によりSARS-CoV2感染無症状・軽症患者に対するファビピラビルの有用性およびファビピラビルを投与された中等症・重症患者の臨床経過を明らかとすることを目的とする
また、北九州市や福岡市では、マラリアの治療薬「ヒドロキシクロロキン硫酸塩」の内服によって、新型コロナウイルスの症状が改善された症例が報告されています。
ただし、因果関係についてはわからないとのことですが、引き続きの研究結果が待たれます。
他にも、新型コロナウイルスに感染した国内の重症患者にエボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」を投与し、一定の効果があった、という報告もされています。
国内の医療機関で2月以降、重篤な状態にあった患者9人に、人道的な観点で投与したそうです。日本ではまだ未承認の薬です。
レムデシビルは米国の企業が開発し、新型コロナウイルスの治療薬候補として期待されていて、3月にも日米共同で治験が始まるとのこと。
続々と治療やワクチン開発などの研究が進められているのがわかります。
新型コロナの治療に使える?東大が急性膵炎治療薬臨床研究へ 一日も早い新型コロナの感染対策や治療の確立を期待したい
新型コロナウイルスの解析が待たれている状況ですが、感染経路、感染症状、治療、ワクチン開発など、問題は山積みです。
ですが、各国の研究機関や医療機関では、一日も早い新型コロナウイルスへの確実な感染対策や治療に向けて、動いている最中です。
焦りや不安な気持ちは、世界中共通と思います。
自暴自棄にならず、冷静に、今わかっている情報の中での、感染拡大を防ぐ努力をしていくしかありません。
中国が広めただの、アメリカが悪いだの、んなことは一時置いといて、落ち着いて対応してもらいたいもんです。